【Vol.3 Logical Thinking - 3】
先日に引き続き、ロジカルシンキングについて書きます。ロジカルシンキングは大きく分けると、以下の3つに分けることができます。
①論理展開
②因果関係の把握
③構造的アプローチ
今回は、「構造的アプローチ」について見てみます。構造的アプローチは、複雑に見えるものを細分化し要素を抽出した上でそれらの要素の関係性を明らかにし、ミクロ・マクロの視点で同時に理解できるようにします。
「構造的アプローチ」は、対峙する問題に対して、「事象の構造化」と「論理の構造化」の二つの側面から捉えます。以下に、二つの側面について説明します。
<事象の構造化>
事象の構造化は、問題解決のプロセスで必要不可欠となります。「現状がどうなっているのか。」「それを引き起こす原因は何か。」「現状を解決する効果的な策は何か。」について考える際に使えます。事象の構造化は、更に二つに分けて捉えることができます。一つは、一時点で現状を把握し、各要素の関係性を捉える。もう一つは、時系列を意識し、因果関係に把握することです。これら2つの捉え方について、以下に例を書いてみます。
ex) 日本の人口問題(少子高齢化)がもたらす課題
先ほど挙げた二つの捉え方のうち前者での捉え方。
・医療の進歩により平均寿命が上がり、高齢化が進む。
・高齢化が進むことにより、医療費、社会福祉費等の増加と年金への先行き不安。
・晩婚化、未婚率の増加による、将来的な労働力人口の減少と、税収、年金拠出不足。
先ほど挙げた二つの捉え方のうち後者の捉え方。
・高度経済成長に伴う家意識の希薄化と、晩婚化の増進。
・バブル崩壊、経済不況に伴う低所得者層の増加による若年世帯の未婚率の上昇や、女性の社会進出、育児環境の不足による少子化の増進。
・医療の進歩による高齢者向け医療の充実からくる平均寿命の上昇と、それに伴う社会的コストの増加。
上記で挙げた事象から解決策をそれぞれ導き出します。そしてそれらの事象を改善することで、結果的に全体としての解決につなげることができます。
<論理の構造化>
論理の構造化は、自身の考えをまとめ、第三者にうまく伝える時に役立ちます。上記で挙げた事象の構造化を使い、論理の構造化で伝えるのです。事象の構造化まででストップしてしまうと話は進みません。
論理の構造化は、事象の構造をきちんと把握し、そこから見落としなくメッセージを抽出し、文章なりプレゼン資料なりの形に落としこむ作業です。Vol1でも述べた演繹法や帰納法、そしてピラミッド構造はここで活用できます。
ピラミッド構造とは、提案内容をピラミッド型をイメージし、メインメッセージを頂点とし、ポイントとなるメッセージを真ん中に置き、個別策をその下に配列することです。提案の大枠を理解した上で徐々に個々の事象の説明へと進むことで、第三者への理解を獲得しやすくなります。ピラミッド構造については、後日記事にします。
このように、ロジカルシンキングは最終的に第三者の理解を獲得することまで考えなくてはなりません。ビジネスの場や人との交流の場でいかにロジカルシンキングで事象をうまく捉えても、それをうまく伝えきらなければ意味はないのです。
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