11/04/2011

G20から見る政治

先日のG20にて、野田首相が為替介入の説明とともに、消費税引き上げ方針も表明しました。




消費税を引き上げるかどうかという問題は、「内政問題」です。基本的に、僕は消費税を引き上げても構わないとは思っているのですが、G20での消費税引き上げ方針の表明には若干違和感を感じざるを得ません。内政問題だからこそ国際社会に軽々しく表明する前に、日本国民に信を問うのが先であるべきだと思うからです。
とは言え、国際的に宣言してしまうことで既成事実化し、結果的に国内の議論をリードしていこうという意図的な手法でもあるのかもしれません。鳩山政権時から、現在の与党はこういった手法が多い気がします。


現在日本の抱える問題は、経済不安や超高齢化社会、若年層への不公平感等、社会構造的な問題です。こういう問題こそ、まずは国内でしっかり議論する必要があると思います。現状、多くの政策は既得権益の保護や現状維持、国際社会へのご機嫌取りのような施策が多いように思えてしまいます。その状態が継続してしまうと、国民はますます政治不信、政治離れが進み、国内での議論は進まないのではないでしょうか。


現状を打開していくためには、やはり相当の痛みを生じることは明確です。それを懸念してか、現政権はある種の覚悟のようなものがあまり見受けられないように思います。多少のリスクは承知の上で、ある種の覚悟のようなものを国民に示し、リーダーシップをとってもらいたいと僕は思います。時には国際社会での表明を利用し議論を進めるのもありです。とにかく、低迷している中でも勢いが必要ではないでしょうか。


先日、アメリカの経済誌フォーブスで「世界で影響力を持つ各国首脳や起業経営者番付」で、世界第三位の大国である日本のリーダーが62位とされていました。上位は、日本と肩を並べる各先進国首相が名前を連ねています。日本人では、日銀白川総裁が36位、ソフトバンク孫正義社長が60位に選ばれていました。必ずしもこの番付が正しいというわけではないですが、こういう見られ方をしているということを考えると、やはり日本人としてもっと頑張って欲しいです。


最後に、海外の投資家から見て日本の現状は低迷してると思われています。超高齢化社会による財政不安等に対し、政府がどう対応していくかというのは、投資家にとって非常に注目すべきポイントとなっています。結局のところ、しっかりとした政策を打ち出し、リーダーシップを発揮し、適切なタイミングで国内外で日本の姿勢をアピールして欲しいところです。

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