「したがって」や「このように」といった言葉をビジネスシーンではよく耳にします。このワードが時に、論理的に繋がりがなく話が飛んでしまっている場合があります。事業計画、新規事業参入等のあらゆるシーンにおいて、前後の内容に一貫性があり論理の飛躍が無い状態にしなければ、成功はしません。
例えば、上司からの指示を遂行する際に、そもそもその指示が妥当なものか、「So what?(結局どういうことになるのか?)」、「Why so?(なぜそう言えるのか?)」をきちんとチェックしてからでないと現場は混乱します
また、チェックが甘いことで混乱が生じ、非難を受けてしまうこともあります。
「上司に指示され、そうしました。」と言い訳を言うと、「上司が会社を辞めろと言えば辞めるのか?」という返しがきてしまうかもしれません。
もし上司等から指示を与えられたら、その指示がもたらすメリットを大きく3つに分けて抽出してみます。どういうことかというと、「So what?(結局どういうことになるのか?)」を抽出するということです。
①その指示を遂行すれば、◯◯◯程の収益を見込める。
②その指示を遂行すれば、△△△の部分が効率化できる。
③その指示を遂行すれば、×××な状況が改善できる。
3つでも4つでもかまいませんが、人の脳は3つにまとめることで最も理解を得ることができます。4つないし5つ以上のポイントを抽出すると、覚えられなくなり、相手を説得する際に効果が薄れてしまいます。
また、「Why so?(なぜそうなる?)」を表面的な事実一つだけを単に取り上げるのでなく、その問題の潜む潜在的な背景等を明確に把握した上で、抽出していく必要があります。ここをしっかり取り組まなければ、その後のステップで方向を間違ってしまう可能性が高いからです。更には、相手を説得できるような話にはなりません。
よく聞くエピソードとして、現場の士気が低下し、いい空気ではないといった管理職の方々の声があります。多くの場合、上層部からの指示ばかりを鵜呑みにし、そういった状況の原因をうまく突き詰めることができていません。結局のところ、「So what?」を考えた後に「Why so?」をしっかりと自身の中に落としこむ必要があるのです。
<例>
以下の表を見てみます。「So what?」を表した表です。言い換えると、「結局どういうことになったかというと以下の表のようになった。」ということです。では、この表の「Who so?」について考えてみてください。「なぜ以下の表なことが言えるのか?」ということについて考えるのです。「この表から◯◯なことが言える」と説明できればいいのです。
では、表からどんなことが言えるか確認してみます。
・1990年代の外資系小売企業の日本進出において、米国からの進出がほとんどであった。(8割程)
・1999年代以降は、米国に代わり、欧州からの進出が目立つ。
・1990年代の外資系小売企業の日本進出の多くは、1999年~2000年に集中している。
・1997年頃までは、玩具、文具、アウトドアと業種が限定的だったが、1999年以降は家具や化粧品等の業種の進出が目立つ。
上記に挙げたポイントはいあずれも、表から読み取れる「Why so?」の部分です。逆に言えば、表はきちんと「So what?」を反映したものであるということがわかります。結局大事になってくるのは、「要するにここからどんなことが言えるのか?」ということです。