【創業段階はEquity】
創業段階での資金調達はEquity(株式)による調達方法がメインです。逆に言えば、Debt(融資)での調達にはあまり期待が持てないということです。
現実問題として、創業段階で融資をしてくれるのは政策金融公庫くらいで、メガバンク等の銀行は、基本的に融資をしてくれません。創業時での銀行からの融資に関しては、特別な人脈や過去に大きな実績があれば話は別ですが、多くの場合、3期分の決算書類と剰余金があることが前提となりため、借入が困難なのです。
その他に、VC(ベンチャーキャピタル)の存在があります。彼らから資金調達するという方法もあります。感覚としては、同じ事業計画書を銀行とVCの双方に提示した時、銀行は、「もっと安定的な成長はできないのか」という考えで、VCは、「もっと成長する材料はないのか」といった考え方です。
したがって、事業計画書を作成する時は、資金調達先に応じて作り分け剃る必要があります。
余談ですが、日本のVCは米国のVC程アクティブではありません。多くのVCは銀行系や政府系、もしくは間接金融出身の方が多いからです。元々リスクテイクするような柄ではない組織出身の人がアクティブにベンチャー投資するかどうかが疑問というわけです。
ということは、起業をした際の1st round でのファイナンスは、Equityがメインとなり、経営陣の課題は、事業、収益スキームをしっかり構築することです。資金繰りが最も厳しいのは最初の段階だと言えます。
【Risk Money】
VCにポイントを置いて話をすると、リスクマネーは健在しているのではないかと、僕は思います。ここ数年、VCの投資案件数や投資金額は減少傾向にありますが、投資意欲が落ちているかと言われると、そうでもないようです。多方面の方々から話を聞くと、リスクマネーは健在で、良い投資先を探している状態であるようです。
【企業からの資金調達】
企業から資金調達する方法もあります。資金調達先は、銀行、政策金融公庫、VC、個人投資家だけではありません。色々な話を聞いていると、現在、企業の新規事業の担当者はネタを探していることが多いようです。
もし、企業から資金調達をしたい場合は、Equityでの出資だけを考えるよりも、企業と取引スキームを作ることが望ましいと言えます。どういうことかというと、自社とアライアンス候補先である企業の双方にお金が落ちるようなスキームを作るということです。俗に言う「win-winの関係」になるような形を考えるということです。
総合商社は別として、企業には「金はあるが、何をすればいい分からない。」だとか、「金の使い道に迷っている。」といったケースが多いようです。そんな企業から資金調達をするのも、一つの方法だと言えます。
今回は、起業の際の資金調達について少し触れてみました。資金調達は、資金調達先、資金調達方法をうまく使い分けていくことが重要です。とは言え、事業計画等がしっかりしていることが前提ですが。
そんな筆者も、ちょうどこれから新規事業に向けて資金調達をするところなので、頑張ろうと思います。