前回の記事に引き続き、もう少しオリンパスの件について書いてみます。
とはいえ、もう多くの人がブログやウェブサイトで記事にしているため、ほとんど書くことはありませんが、僕なりに思うことを書きます。
いろいろ調べてみると、オリンパスは以前私募債を発行しています。普通は公募で発行するだろうところを私募で発行したことに疑問を感じます。当時であればきっと何も思わなかったところですが、今思うと疑問に思う点です。
今回僕も含め多くの人が疑問に思っているのは、疑惑の中核にあるM&Aにおける金額とアドバイザーへのフィーの額について、そして誰に対しても詳細な説明が無いということです。また、当該事案における取締役会資料を見てみると本M&Aディールの詳細の情報が記載されていない等のこともあります。一般的には考えられないことが起きているというわけです。取締役会といえば、その企業における最高意思決定機関です。その取締役会の資料で情報が記載されていないというのは、常識では考えられないのです。そう考えると、不記載という事実については、意図的に行われたとしか言い用がないのです。
更に、企業間において株を保有する際には、必ず事前、会計期末毎にそれぞれ資産査定をします。約700億円という巨額の損失計上を後に行なっているにも関わらず資産査定を管轄する部門から何もアクションが無いというのも疑問です。挙句の果てに、ウッドフォード氏が菊川会長へ質問状を提出した3日後に、取締役会全会一致でウッドフォード氏の解任をするという事態まで発生しました。今後、大株主の立場についても気になるところです。日本生命等の筆頭株主は事実解明のために何らかの動きをする必要があります。
ウッドフォード氏はFACTAからの情報を元に問題に気づいたようであり、また、社内から本件に関して意義を唱えるものが出てこないということを考えると、何らかの陰謀なりが渦巻いており、それと同時にこの陰謀を暴くように仕向けた何者かがいるような気もします。
しかしながらはっきりしていることは、オリンパスの会計において計上している「のれん」の評価に疑問が生じていることから現存を迫られている可能性が出てきており、金額次第ではオリンパスは自己資本において大きな損害を被る可能性があるということです。「のれん」が自己資本より大きいというのは、非常に逼迫した状況に陥り、株主にとっても大きな痛手となります。銀行からの融資があれば何とか対処のしようがあるのかもしれませんが、現状満足いく融資を得られるかどうかは疑問です。
そういった意味からも、今後の動向は非常に興味深いものです。